運と偶然の違い|『それはあくまで偶然です:運と迷信の統計学』

「占い 当たる 当たらない 違い」

検索ワード風に書いてみましたが、ここ2,3年、このテーマで何冊か本を読んできました。

雑誌やネットで目にする占いは、私はほぼ当たりません。種類はいろいろあるけど、どれも同じ。

占星術については『星占いのしくみ』(平凡社新書)を読んで理由が分かった。
雑誌やネットに載る星占いは、星座の真ん中あたりのホロスコープを見るそう。
ひとつの星座に当てはまる期間は1カ月ほどあるので、その中盤。たとえば1〜30日だったら15日あたり。
私の誕生日は星座と星座のほぼ境目だから、中盤からはかなりズレているのだ。

それでもたまに当たる。
一度、恐ろしいほど当たったことがあった。

数年前、ある有名な海外の占星術師が、当時ファッション雑誌に連載していた占いを読んだ。
月初めか前月末だったけど、その月と翌月が、見事に書いてあったとおりになった。
ふんわりした書き方ではない。
「×日に良くない検査結果、×日にいろいろ決まり、×日ごろ手術、うまくいきます」
と、かなり具体的に書いてあって、しかもそれがすべて的中。
私のことを見てます?レベル。

もちろん、そこからハマった。その人の英語のサイトの長文までがんばって読み続けた。
でもミラクルはそのときだけ。
なんで?
そこから「占い 当たる 当たらない 違い」本を読み始めるわけです。

そしてたどりついたのが『それはあくまで偶然です:運と迷信の統計学』(ハヤカワ文庫)

著者のジェフリー・S・ローゼンタールは統計学者でコメディアン。
文章が面白くて読みやすい。数学が苦手な私も一気読み。

で、ローゼンタール先生は、ほぼすべてを「 偶 然 」だと言い切る。
占いもジンクスもすべては偶然。感情によるバイアス、思い込みの罠。これでもかと実例を挙げて、ひとつひとつ論破していく。
数年前の私の「ミラクル」もローゼンタール先生に言わせれば、

まぐれ/ランダムな運
全くの偶然で起こる運で、特別な意味も原因もない。

当たる当たらない以前に「ない」。
そう言われると拍子抜けのような、解放されたような……。
なぜそういう心理になるのか、ということもちゃんと書いてあります。

この本を読んでよかったと思う一番のことは、占いや運を別の角度から見直せたこと。

人は何かを求めて占いを読む。心の底にある願望で解釈をする。
ある意味いまの自分を映す鏡。

運の多くは自分の思考や行動に起因する。
たくさんの運の罠を避けて、起きることに影響を与えている真のものは何かを見抜かなければならない。

make your own luck

運も占いも自ら使っていくもの。
そうすると起きることが偶然ではなく運、自ら「運」ぶものとなるのだと。


写真は開運グッズ。どれも旅の思い出です。
「安寧」がどこのものだか分かった人がいたらすごい! 一杯おごります。