
青森県弘前市で泊まるところを探していたら、古いスナックをリノベしたというホテルを見つけました。
1泊なんと4,900円。安すぎて不安。一人だし。しかも無人ホテル。
迷ったけれど好奇心が勝ちました。
SNSで話題の“泊まれるスナック”|GOOD OLD HOTEL(青森・弘前)
泊まる5日前に入り口と部屋を開ける暗証番号がメールで届きました。
続いてなぜか英文メール。最初スパムかと思った。
「Hi, えんどうさえみ」
「チェックインは15時だが13時以降に部屋に荷物を入れてもいい。
だが部屋にそのままいてはいけない。清掃スタッフが来る(要約)」
とのこと。

私がホテルに着いたのは夜。
ホテルはビルの2階で、1階は営業中のスナックやバー。ビルの周りも飲食店だらけ。
それはGoogleマップで先に見ていたけど、意外だったのは静かなこと。客引きもいないし人通りもほとんどなく。平日だからかな?
出入口のある2階までは階段。キャリーケースをどうにか運び上げ、電子ロック①を解除。
入るとそこはスナック街でした。

どうせならうんとスナックっぽい部屋に泊まりたかったので、予約した部屋は『DEN』。
電子ロック②を解除して入る。
広い。
小さい窓は手が届かない位置にひとつ。
白木のベッド。壁付けのテレビ。アイアン脚のダイニングテーブル。
スナックの名残りは大小のシャンデリアと壁に設けられた飾り棚、そしてルーバー扉の物入れくらい。
廊下と同じく、カビ臭さもタバコ臭もなくて一安心。
備品や設備は値段相応。ユニットバスは狭いけどまだ新しいからきれい。

そのうち歌声が聞こえ始めた。時刻は21時ごろ。
音量は、若い女性が『ホール・ニュー・ワールド』を歌い上げている、と分かるくらい。
(↑映画『アラジン』の主題歌)
くたくたに疲れていたので早々にベッドへ入り、本を読もうと無印のモバイルライトをつけたところで、別の店でも誰かが歌い出した。
3人分くらい?歌声が混ざってもわもわーと聞こえてくる。
本が面白くて気にならず、聞き流していたら11時ごろにはぴたりと止みました。
スナック街にいるなー、と感じたのはそのときくらい。
ホテルだから当然だけど、廊下も客室も清潔で空気が爽やか。スナックの怪しさや澱んだ空気とは真逆。
身構えて行ったので、ちょっと拍子抜け。でも気持ちよく泊まれました。
次の日は早々に別のホテルに移動したのですが、廊下、表通りを歩くと朝帰り感が……。笑
いつか機会があったら『ぷーどる』や『ぴちぴち』にも泊まってみたいです。
『DEN』の情報を少し。私が先に知っておきたかったことを。
◎コンセントは(気づいた限りでは)、窓側のベッドの頭上に2つ。テーブルの下に2つ。TVの裏に1つ。
◎バスルームの換気扇のスイッチがなぜかドア横の壁の高いところにあります。身長165センチの私が手を伸ばしてやっと、くらいの位置。
◎高窓にはロールスクリーン有り。
私は気づかなくて朝陽に直撃され、5時過ぎに目が覚めました。
◎ソフトドリンクの自販機がありました。水を買いました。

ちょっと変わった、でも快適なところに泊まりたい性分で。
以前、ソウルの医療ホテルに泊まったときの思い出は、短編連作『みんなで一人旅』で小説にしました。
タイトルは『癒やしのホテル』。よかったらぜひ。